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【書評】「銃・病原菌・鉄(上)」を読んだ感想まとめ

タイトルが気になる「銃・病原菌・鉄」を読んでみました。「なぜ世界で発展した地域とそうでない地域があるのか?」といった謎に迫る本書。大人の教養を得るためにオススメの本として度々紹介されるけど納得の内容です。

銃・病原菌・鉄(上)

なぜ発展した地域とそうでない地域が存在するのか?

発展できるための条件は色々あるけど究極的に見れば「東西方向に伸びる大陸」であったかどうかが最大の理由です。

いきなりそんなこと言われてもよくわからないですよね?順を追って解説していきます。

タイトルの「銃・病原菌・鉄」は直接的な原因

発展して他の地域を攻め落とすことができた大きな要因が「銃・病原菌・鉄」といったタイトルになっています。

銃と鉄の技術で発展するイメージがつくけど、病原菌に関してはわかりにくいですよね。

人口が増えたからこそ危険な病原菌はたくさん生まれています。ただ人口の多い地域では耐性もつくのでそれほど大きな被害にはつながりません。

ただその病原菌を免疫のない地域に持っていってしまうと、それだけでその地域が壊滅してしまうほどの感染力を持っていたのです。意図せず銃よりもよっぽど人の命を奪った歴史があります。

それらがある地域が他の地域よりも発展した直接的な原因になっていたのです。

狩猟生活から農耕生活に移れたかどうか

生きるために狩りをしなければいけないのが狩猟生活の常識でした。

ただ狩猟生活をすると生活の制約が強くなります。

  • 誰もが食料を確保しにいく必要がある
  • 子どもをたくさん産むことができない
  • 動物を追い求めて転々と移動する必要がある

これが農耕生活となると生活がガラッと変わります。

  • 特定の人だけ食料を生産すれば良い
  • 子どもをたくさん産むことができる
  • 特定の場所に定住することができる
  • 人口が急速に増加して、人口密度が高くなる

何より大きいのが一つの社会で食料を生産しない人を養えるようになったということです。これによって人口が急速に増加しました。

これによっていろんなことをする人が登場しました。

  • 集団を統治する王族・官僚
  • 他の組織と戦う職業軍人
  • 武器の製造を可能とする金属加工職人
  • 文字を発明する人

こういった人は狩猟生活を行う社会ではほとんど存在せず、農耕生活にシフトした社会でのみ生まれました。

栽培できる植物の有無と飼育できる家畜がいたのかどうか

ではみんな農耕生活に移行すればよかったのでは?と考えてしまうけどそう簡単に農耕生活に移れない理由があります。

その最大の理由は「栽培できる植物や家畜に適した動物はかなり限られている」ことにあります。

栽培することにメリットを感じる必要があり、そのためには様々な条件を満たす必要があります。

  • 種をまくだけで簡単に育てられる
  • たくさん収穫できる
  • 成長が早い
  • 貯蔵がきく

この条件を満たした最古の栽培植物はこちら。

  • 小麦
  • 大麦
  • エンドウ

これらの植物は世界中に分布しておらず、特定の地域にしか存在していなかったのです。

つまりそうした植物を持たない地域では植物を栽培するメリットが少ないので農耕生活にシフトしなかったということになります。

家畜についても同じようなことが言えます。

人間にとって簡単に飼育できなければ家畜にするメリットがないのです。

  • 早く成長する
  • 餌の消費は少ない方が良い
  • 人間に危害を加えない
  • 序列のある組織を形成する

こうした条件を踏まえると、メジャーな家畜は5種類にまで減ります。

  • 山羊

現在でもおなじみの動物たちですね。動物は数多くの種類がいるけど家畜に向いている動物となると本当に一握りなのです。

そしてこうした動物がいるかどうかは地域によって異なり、家畜に適した動物がいない地域も多かったのが現実です。

最大の要因は東西方向に伸びる大陸

「肥沃三日月地帯」というメソポタミア地域を中心に農耕生活が開始されました。メソポタミア文明といえば世界最古の文明として有名ですよね。

東西に大陸が伸びていることにより他の地域にもその文化が伝播していきます。

  • 同じような気候である
  • 植物栽培もしやすい
  • 家畜も育てやすい
  • 他の地域から技術を取り入れられる

こうしてユーラシア大陸を中心に人間の生活は発展していきました。逆にこうした条件を満たせない他の地域では発展しなかったり発展が遅れたのです。

 

「銃・病原菌・鉄(上)」を読んだ感想

あまりにスケールの大きな話にワクワクします。

人間が発展するかどうかは”運の要素”が強かった

この本を読むことで人の能力差ではない部分で発展できるかどうかが決まっていたということが明確になります。誤解をおそれず言えば発展するかどうかは運であったとも言えます。

なぜなら、万が一農耕生活にシフトした先に発展があると知っていたとしても、自分の土地で栽培できる植物がなかったり、家畜がいなかったら狩猟生活を続けるしか無いからです。

そういった意味ではどんな能力を持っているか?よりもどこに住んでいるか?の方が重要で世の中に平等なんてないし不均衡が発生してしまうことは当然のことであるとも感じられました。

病原菌って本当に危険

日本にいると病原菌と言われても正直馴染みがなかったです。

ただ病原菌によって歴史が変わるほどの人が亡くなっているし、免疫がないとどうしようもないことがよくわかりました。

よく映画で生物兵器によって荒廃した世界が描かれたりしているけど、本当にあんな映像が起こりうるのかと思えるほどインパクトがあることも納得。

間違いなく今後ニュースで海外のウイルスや菌の話はチェックするようになります。

これだけ深く背景を知っていれば世界史好きになっていたのに……!!

僕は人生で世界史をほとんど勉強してこなかったです。歴史ってどうしても暗記メインで面白くないと思っていたので。

でもこれだけ深く背景を知ればものすごく面白い!表面的な部分だけではなく、もっと深く知っていけば楽しい世界が広がっていたんですね。世界史ってめっちゃ楽しいです。

興味深い本でまさに大人の教養として読んでおくと良いなと思える内容でした。僕みたいに理系な人でもきっと楽しめるので興味があれば手にとってくださいね。

ではまたっ